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渡辺泰子「穴を塞ぐ方法改め、穴を開ける方法、あるいはそのバリエーションと結果」
2019年9月7日(土) 15:00-17:00
このたびkrautraumでは、渡辺泰子トークイベント「穴を塞ぐ方法改め、穴を開ける方法、あるいはそのバリエーションと結果」を開催いたします。
2019年9月7日(土) 15:00-17:00
開場時間:14:30-
料金:1,000円(1ドリンク付)
定員:15名 ※事前予約制 お名前、人数、ご連絡先のメールアドレスまたはお電話番号をご明記の上、info@krautraum.comまでご連絡ください。
私は「境界」というものにまつわる作品を作っています。 去年1年間、自身が長らく影響を受け、関心を寄せてきた事柄・事象(SF小説…SETI…エイリア ン…産業革命…宇宙開発…)、そしてそれらと美術の接点について、米英の各地を転々としなが らリサーチの日々を過ごしました。 その生活の中、ふと目に留まりインスタグラムで投稿し続けることとなった、街の工事現場に置 かれた柵(Traffic Barrier)の穴の写真シリーズ、「穴を塞ぐ方法、あるいはそのバリエーションと 結果」。更新と現状維持の間に置かれるその柵の存在を思考の場として見立て、自身のブログに て全6回の予定で投稿してきたテキス ト。帰国までに第5回目までを投稿し、帰国してもうすぐ 半年が経とうという今、今回のイベントを最終回の6回目とし、それら写真とテキス トをもと に、滞在中の日々を振り返りながら多角的にお話しできたらと思います。
渡辺泰子
—まずひとつ出ている結論として、私はこのようなタイトルに対して、文字通りの意味だけで 穴を塞ぐ方法を見たかったわけでも、そのバリエーションと結果を見たかったわけでもなかった。 むしろ蓋をした瞬間に閉じられたその中の空間が、穴と蓋という存在によって自明になるその様 そのものを見たかったのであり、それが仮置きの、さらにある空間とある空間を分かつ境界のよ うな存在において提示されていることこそに惹かれたのだった。
おそらく私はその柵のようなものの写真を撮り続ける中で、私を含めた作家や作品、創作物がも つ力が社会にあけるある種の穴を再認識し、さらに言語をもとに生み出されたコン テクス トがそ れを再定着させる(塞ぐ)ことで、起こった出来事を自明のものにする方法について考えるきっか けを無意識的に拾っていこうとしていたのだと思う。(もう少し言いかえるのであれば、作家のア イデアが開ける穴と、いまこの時代を記述するための蓋を探す方法ともいえるかもしれない。)そ してその際の穴の中の空間における可能性を考えていきたい。
—1/6(地図と前提)より抜粋
プロフィール
渡辺泰子 (わたなべやすこ)
1981年千葉県出身。2007年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油画コース修了。
2017年、平成29年度第28回五島記念文化賞美術新人賞。 副賞として翌2018年3月より1年間の海外研修(アメリカ・イギリス)。 近年の主な展覧会に、2018年「象る、象られる。」(Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku、 東京)、2017年「いちはらアート×ミックス2017」(IAAES(旧里見小学校)、千葉)、2016年「断片か ら景色」(アキバタマビ21、東京)、2015年「WOW! シグナル」(GALLERY SIDE 2、東京)など。
2019年は舞台美術(劇団ベビー・ピー旅公演「ラ・プラタ川」 7月15日~10月6日 全国19箇所公演 (瀬戸内国際芸術祭 2019・本島参加作品)、ドイツを拠点とするアーティストである長倉友紀子との女性年表プロジェクト「Timeline Project」によるトークイベント(12月6日、7日 [TOKAS opensite実施企画])。 また参加するアーティストコレクティブ SabbaticalCompanyでは8月1日~31日までポートランドのレジデンシープ ログラム「End Of Summer」に参加中。
作家ウェブサイト https://www.yasukowatanabe-space.com/
(今までのテキス トはこちらからご覧いただけます。↓)